「次に読む小説、どれにしようかな…」 「直木賞を受賞した話題作って、実際のところ面白いの?」
そんな本好き・読書好きのあなたに、ぜひ手に取ってほしい最高の一冊をご紹介します。
今回ご紹介するのは、第174回直木賞を受賞した嶋津輝さんの『カフェーの帰り道』です!
戦前・戦後の激動の時代を背景に、上野の片隅にある小さな「カフェー西行」で働く女給たちの人生を描いた連作短編集。
読み終えたあと、胸の奥がじわっと温かくなり、「明日もまたしなやかに生きていこう」と思わせてくれる大傑作でした。
今回は、この作品の魅力や見どころをお伝えします!
『カフェーの帰り道』の作品概要とあらすじ
まずは『カフェーの帰り道』がどんな物語なのか、ざっくりとした概要とあらすじをご紹介します。
作品概要
- 著者:嶋津 輝(しまづ てる)
- 受賞歴:第174回直木賞受賞
- 形式:全5編からなる連作短編集
ざっくりあらすじ
舞台は、大正末期から昭和、そして戦後へと移り変わる東京・上野。
物語の中心となるのは、場末の路地裏にひっそりと佇む小さな「カフェー西行(さいぎょう)」です。
当時の「カフェー」は、今のオシャレなカフェとは少し異なり、洋風のお酒や料理とともに女性の接客(女給)を伴う場所。
派手で華やかな大流行店とはほど遠く、どこか寂れていて間の抜けた「西行」ですが、そこにはさまざまな事情や過去を抱えた女性たちが集まってきます。
- 夫の浮気を疑って店に乗り込んできた主婦
- つい強がりや嘘をついてしまう女給
- 知的でありながら人生のままならなさに苦しむ女性
時代の大きな波と戦争の足音が忍び寄るなか、たくましく、そしてしなやかに生き抜く女給たちの人生が、5つの短編を通して緩やかに交錯していきます。
『カフェーの帰り道』の魅力を深掘り感想!
ここからは、私が実際に読んで心をつかまれたポイントを深掘りして語っていきます!
【ここが最高!推しポイント】
1. 今のカフェとは違う「カフェー西行」の絶妙な居心地の良さ
2. バトンが繋がっていく!主役と時代が交錯する連作短編の面白さ
3. なにげに超・重要人物!「菊田マスター」のいい味と包容力
今のカフェとは違う「カフェー西行」の絶妙な居心地の良さ
「カフェー」と聞くと、なんだか少し怪しげだったり、派手な大人の夜の世界を想像する方もいるかもしれません。
でも、この物語の舞台である「西行」は、驚くほど居心地が良いんです。
- 商売っ気がそこまでない、おっとりした空気感
- 一癖も二癖もあるけれど、どこか愛おしい常連客たち
- 人生の行き場に迷った人が、ちょっと羽を休められる「止まり木」のような場所
ギスギスした生存競争や時代の喧騒から少しだけ離れられるこの空間が、とにかく温かい。
「もしタイムスリップできるなら、私も西行の端っこの席でハイボールでも飲みながら、彼女たちの会話をずっと聞いていたい…!」本気でそう思わせてくれる魅力があります。
バトンが繋がっていく!主役と時代が交錯する連作短編の面白さ
本作は全5編で構成されていますが、単発の短編ではなく「前の話で脇役だった人が、次の話では主人公になる」という連作短編のスタイルをとっています。
この構成が見事としか言いようがありません!
- 1話目:とある事情で西行に足を踏み入れた「外側の人」の視点
- 2〜4話目:西行で働く女給たちのそれぞれの過去と現在
- 5話目:時代が下り、それぞれの人生が交わった先の結末
短編を読み進めるごとに、「あ!あの時のあの人は、裏でこんな悩みを抱えていたんだ」「ここでこの人と繋がっていくんだ!」という発見があり、ページをめくる手が止まらなくなります。
一人ひとりの人生は決して平坦ではなく、苦しいことや理不尽なこともたくさん起きます。
それでも、誰かが誰かの人生にそっと寄り添い、バトンを繋いでいくような展開に、何度も胸が熱くなりました。
なにげに超・重要人物!「菊田マスター」がいい味を出している
そして、個人的に絶対に語りたいのが「カフェー西行」のマスター・菊田さんの存在です!
彼は決して物語の前面に出てきて大活躍するタイプの主人公ではありません。どちらかと言えば、いつもカウンターの奥で静かに微笑み、黙々と店を守っているような存在です。
ですが、彼が醸し出す雰囲気が本当に最高なんです。
- 女給たちのどんな事情や不器用さも、否定せずに受け止める包容力
- 出しゃばりすぎず、でも必要な時にはスッと温かい言葉をくれる絶妙な距離感
- 激動の時代の中でも変わらない「西行」という居場所の象徴
菊田マスターがいるからこそ、「西行」は女給たちにとっても客にとっても安全な避難所であり続けられたのだと感じます。
目立たないけれど、作品全体を支える「陰のMVP」として、読後は菊田マスターのことが大好きになってしまいました。
まとめ:『カフェーの帰り道』はどんな人におすすめ?
嶋津輝『カフェーの帰り道』は、直木賞受賞作という肩書に相応しい、文句なしの大傑作でした!
戦前・戦後という厳しい時代を生きた女性たちの物語ですが、悲劇として描くのではなく、生きることの愛おしさやユーモア、たくましさが溢れています。
読み終わったあとは、タイトルの通り「カフェーで温かい時間を過ごしたあとの帰り道」のような、じんわりとした余韻と爽やかな心地よさに包まれますよ。
こんな人におすすめ!
- 群像劇や、伏線・人間関係が綺麗に繋がる連作短編が好きな人
- 昭和初期のレトロな雰囲気や、味わい深い世界観に浸りたい人
- 人間味のある魅力的なキャラクター(特に菊田マスター!)に出会いたい人
- 直木賞受賞作で「本当に面白い本」を探している人
気になった方は、ぜひ次の週末の読書タイムに手に取ってみてくださいね!
今回ご紹介した本
- タイトル:『カフェーの帰り道』
- 著者:嶋津 輝
- 出版社:KADOKAWA
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! みなさんの「読んだ感想」や「推しキャラクター」があれば、ぜひコメントやSNSで教えてくださいね!


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