【書評・感想】『ライアーハウスの殺人』織守きょうや

小説

ミステリ好きのみなさん、「孤島」「奇妙な館」、そして「連続殺人」というワードを聞くだけで、ゴクリと唾をのんでしまいませんか?

今回ご紹介するのは、織守きょうや先生の最新ミステリ『ライアーハウスの殺人』です。

結論からお伝えすると……

「王道の館モノと思わせて、最後の謎解きで脳汁が吹き出る大逆転ミステリ!」

正直、途中で「ん?ちょっと展開がのんびりしてきたかな?」と思う瞬間もあったんです。
しかし、それは最後に最高のカタルシスを味わうための壮大な罠でした。
ラストに待ち受ける「2度、3度の衝撃」に、読み終わったあとは心地よい脱力感に包まれること間違いなしです!

核心的なネタバレは一切なしで、本作の魅力を熱量たっぷりに語り尽くします!

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『ライアーハウスの殺人』の概要とざっくりあらすじ

まずは本作がどんなお話なのか、魅惑の設定をざっくりとご紹介します。

作品概要

  • 書名: ライアーハウスの殺人
  • 著者: 織守きょうや
  • ジャンル: クローズドサークル・ミステリ

ざっくりあらすじ

降って湧いたような莫大な資産を手にしたお嬢様・彩莉。
彼はその巨万の富を、あろうことか「完璧な連続殺人を実行するための館」を孤島に建設することに費やす。

周到に準備を重ね、いよいよ幕を開ける惨劇の計画。
しかし、現実は彼の思い通りには進まない。
少しずつ、だが確実に狂い始める歯車。

嘘(ライアー)に彩られた館で、最後に生き残るのは誰なのか?
本当の犯人は誰なのか?

【魅力深掘り】ミステリマニア感涙!現実味のないシチュエーションが最高

本作の1番の着火点は、なんと言ってもこの「突き抜けた設定」にあります。

ロマンの詰め合わせセット

  • 転がり込んだ莫大な資産の使い道が「殺人用の館」
  • 舞台は定番の「孤島」
  • 犯人視点から描かれる、不穏すぎる計画

現実的に考えたら「そんなことある!?」「もっと違うことにお金使いなよ!」とツッコミたくなるシチュエーションです。
でも、ミステリマニアにとって、この現実味のなさは大好物でしかありません。

「これこれ!こういうのでいいんだよ!」と、ページをめくる手が最初から止まらなくなりました。
クラシカルな本格ミステリへのオマージュがビシバシ伝わってきて、冒頭からワクワクが止まりません!

【展開の妙】しかし、計画通りにはいかない。そこが面白い!

「完璧な館」を作り上げ、完璧な計画を立てたはずの犯人。ですが、物語はそう単純には進みません。

  • 予期せぬトラブル
  • 登場人物たちの思わぬ行動
  • 計画が少しずつ歪んでいく焦燥感

あらすじ通りにサクサク人が死んでいくような、テンプレート通りの展開ではないんです。
「おいおい、そっちに行っちゃうの!?」というイレギュラーな事態が次々と巻き起こり、読者であるこちらもお嬢様・彩莉と一緒にハラハラドキドキさせられます。

この「一筋縄ではいかない歪み」こそが、本作の物語をドライブさせる大きな魅力になっています。

【正直レビュー】中盤の「中だるみ感」は、ラストへの最高のフックだった

ここで一人の読者として、ちょっと正直な感想も書かせてください。

物語の中盤、少しだけ「展開がまったりしてきたな……」「ちょっと中だるみかも?」と感じるパートがありました。
殺人計画の進行や人間関係の描写がじっくり描かれるため、スピード感を求める人にとっては、少しヤキモキする時間かもしれません。

ですが!騙されないでください!!

この中盤の「タメ」の絶妙な空気感こそが、後半に用意されている大爆発を引き立てるための絶対に必要なステップだったんです。
ここで丁寧に状況が積み重ねられたからこそ、終盤のキレ味がとんでもないことになります。
もし途中で手が止まりそうになっても、絶対にそのまま突き進んでください!

【衝撃の終盤】最後の謎解きパートで2度、3度と襲う驚愕の嵐!

さあ、中盤を抜けた先にある「謎解きパート」。
ここからが織守先生の真骨頂です。

最初の謎解きパートも良くできています。
各々の思惑が絡み合って出来上がっていた、異常な状況。
それを解き明かす展開には納得させられます。

でも、そこで終わらずもうひと展開がありました。
一瞬「?」となり追い付けなくなりそうになりますが、「そうゆうことか」「ということは、最初から・・・」と思わされる。

最後にはさらに、もう一波乱。

見事なまでに2度、3度と裏切られ、脳が完全にキャパオーバーになりました。「中だるみかな?」なんて一瞬でも思ってしまった自分を殴りたいです。
あの静かな中盤の描写すべてが、このラストのドミノ倒しのために配置されていたのだと気づいた時、鳥肌が立ちました。

結果的に、「めちゃくちゃ面白かった!大満足!」と本を閉じる、最高の読書体験になりました。

まとめ:『ライアーハウスの殺人』はこんな人におすすめ!

不穏で魅力的な設定から始まり、中盤のタメを経て、終盤に大花火を打ち上げる『ライアーハウスの殺人』。大満足の一冊でした。

▼ 特におすすめしたいのはこんな人!

  • クローズドサークル(館モノ)が大好物な人
  • 最後の最後で「騙された!」という快感を味わいたい人
  • 二転三転する、どんでん返しミステリが好きな人

「最近面白いミステリに出会えていないな」「王道っぽいけど一味違う作品が読みたい」という方は、ぜひ手に取ってみてください。
この騙される快感、ミステリ好きなら絶対に損はさせません!

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