第22回『このミステリーがすごい!』大賞の文庫グランプリ受賞作、遠藤かたるさんの『推しの殺人』を読了しました!
タイトルと「地下アイドルが人を殺す」という設定のキャッチーさに惹かれて手に取ったのですが、これがもう、ページをめくる手が止まらない怒涛のノンストップ・サスペンス。読み終わったあとも「あの3人の危うい関係性、最高すぎるな……」と興奮が冷めません。
今回は、本書の魅力をネタバレなしで熱量たっぷりに語り尽くします!「次に読むハラハラする本を探している」「読んだ人のリアルな感想が読みたい」という方は、ぜひ最後までお付き合いください!
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アイドル×殺人隠蔽!歪な絆にアドレナリンが止まらない
まず結論から言わせてください。この本、「ミステリ」というよりは「極上のエンタメ・サスペンス」です!
犯人は誰か?を突き止めるフーダニット(Who done it)でもなければ、犯人側の視点から完全犯罪を緻密に組み立てる厳密な「倒叙(とうじょ)もの」でもありません。
じゃあ何が面白いのか。
それは、「いつバレるか分からない極限状態のハラハラドキドキ」と、「人殺しという最悪の秘密で結ばれた少女たちの歪な団結力」です。
少女たちが崖っぷちで足掻く姿に、気づけば読者であるこちらも共犯者のような気持ちで、ハラハラしながら一気に読み進めてしまう魅力に満ちています。
『推しの殺人』作品概要・ざっくりあらすじ
まずは本作の概要と、物語の始まりをざっくりとご紹介します。
作品情報
- 著者:遠藤かたる
- 受賞歴:第22回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞
- メディア展開:実写ドラマ化でも話題
ざっくりあらすじ
舞台は大阪。
3人組の地下アイドルグループ「ベイビー★スターライト」(通称:ベビスタ)は、まさに空中分解寸前の危機にありました。
パワハラ全開で金を搾取する最悪の事務所社長、グループ内での容赦ない人気格差、さらにはプライベートでの男関係のトラブル……。
メンバーのモチベーションは底をつき、輝かしいステージの裏側はドロドロ。
そんなある日、事務所の奥で「決定的な悲劇(最悪の殺人事件)」が突発的に起きてしまいます。
普通の女の子なら、あるいは普通のアイドルなら、ここで警察に駆け込んでグループは終了でしょう。しかし、彼女たちが選んだ道は違いました。
「アイドルとして、てっぺんを獲るまでは終われない」
夢を諦めきれない3人は、警察への通報ではなく「死体の隠蔽」を選択。
死体を山中に埋め、何食わぬ顔でアイドル活動を続けることを決意します。
しかし、そんな彼女たちの身に、警察や怪しい大人たちの影、さらには世間を騒がせる別の事件までが絡みつき、事態は誰も予想できない狂気へと加速していきます――。
ここが刺さる!3つの胸熱ポイント
ここからは、私が読んでいて特に「うわ、これ最高に面白い!」と興奮したポイントを熱量高めに深掘りしていきます。
仲の悪かった3人が「共犯」で最強になる皮肉
私が本作で一番シビれたのが、メンバー間の関係性の変化です。
事件が起きる前、彼女たちは決して「仲良しグループ」ではありませんでした。
- センターを奪われた元センターのプライド
- 新センターへの嫉妬や確執
- お互いに対する冷めた目線
ビジネスライクですらない、崩壊寸前の関係だったんです。
それが「人を殺した、死体を隠した」という、絶対に誰にも言えない究極の秘密(共犯関係)を共有した瞬間から、奇妙なまでの強い絆が生まれ始めます。
「絶対にバレてはいけない」という極限のプロ意識(?)が芽生え、皮肉にもステージ上でのパフォーマンスや団結力が爆発的に向上していく。
不謹慎極まりないのですが、この「悪に染まることで最強のアイドルになっていく」というブラックユーモア混じりのサクセスストーリーとしての展開が、最高にゾクゾクさせてくれます!
謎解きじゃない!心臓がバクバクする「ノンストップ・サスペンス」
前述の通り、この作品は犯人探しのミステリではありません。
読者は最初から「誰が殺したか」「どうやって隠したか」を知っています。
だからこそ、面白い。
- 「あの時、誰かに見られていたんじゃないか?」
- 「警察のあの質問、もしかして気づかれてる……?」
- 「あの怪しいプロデューサー、どこまで掴んでるんだ!?」
次から次へと彼女たちを襲うピンチと、それを綱渡りで切り抜けていく疾走感が凄まじいです。
ロジックで攻めるミステリというよりは、ジェットコースターに乗せられて最後まで一気に振り回されるような、純度の高いサスペンスの面白さに満ちています。
一晩で一気読みしちゃうタイプの本ですね。
地下アイドルの「光と影」のリアルな描写
著者の遠藤かたるさんの描写が本当に生々しくて引き込まれます。
きらきらした衣装をまとい、ファンに笑顔を振りまく「光」のステージ。
その一方で、生活費にも困るような薄給、大人たちの搾取、ファンからのストーカー行為、SNSでの誹謗中傷といった「影」の部分。
彼女たちがなぜ「人殺し」という一線を超えてまでアイドルにしがみつこうとしたのか。
主人公たちのバックボーンや、夢に対する執着心が丁寧に描かれているからこそ、「隠蔽なんて間違っている」と分かっていても、どこか彼女たちを応援したくなってしまう自分がいる。
この絶妙な感情の揺さぶられ方も、本作の見事なところです。
まとめ:『推しの殺人』はこんな人におすすめ!
『推しの殺人』の総評を一言で表すなら、「アトラクションのように頭を空っぽにして、スリルとアドレナリンを楽しめる極上エンタメ」です!
ラストの展開や結末については、読者の間でも「好みが分かれる」「ちょっと意外な着地」という声もありますが、道中のハラハラ感と疾走感のクオリティは間違いなく一級品。
文庫グランプリ受賞も納得の面白さでした。
特にこんな人におすすめ!
- スピーディに展開するサスペンス小説が一気読みしたい人
- 王道のミステリとは一味違う、尖った設定の作品が読みたい人
- アイドルカルチャー(地下アイドル、推し活)に興味がある人
- 極限状態における、女の子たちのドロドロ&熱い関係性が好きな人
気になった方は、ぜひ本屋さんに走るか、電子書籍でポチってみてください。
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