みなさん、太宰治の名作『走れメロス』はご存じですよね?
激怒したメロスが、捕らわれた親友セリヌンティウスを救うためにひたすら走る……あの感動の名作です。
ですが、もしもメロスが走る先々で殺人事件が起こり、事件を解決しないと前に進めない状況になったとしたらどうでしょう?
「いや、そんな場合じゃないんだよメロス!!」と全力で突っ込みたくなりますよね(笑)。
今回ご紹介するのは、五条紀夫先生の『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』です!
先に結論から言ってしまうと、本作は単なる一発ネタのギャグ本ではありません。
腹を抱えて笑えるパロディでありながら、ミステリとしての出来栄えが恐ろしく高い「ガチの本格ミステリ」でした!
- カタカナの名前が覚えられなくて海外ミステリを諦めたことがある人
- クスッと笑えて一気読みできる面白い本を探している人
- 伏線回収やロジックがしっかりしたミステリが好きな人
こんな方には間違いなく刺さる超おすすめ作です!
今回は核心的なネタバレなしで、この作品の魅力と熱量をたっぷりとお届けします!
『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』、なんと今ならAmazonの読み放題サービス「Kindle Unlimited」の対象タイトルになっています!
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『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』の概要とあらすじ
まずは、本作の基本情報とあらすじをざっくりとご紹介します。
作品概要
- タイトル:殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス
- 著者:五条紀夫
- レーベル:角川文庫
ざっくりあらすじ
邪智暴虐の王・ディオニスに死刑を言い渡されたメロス。
妹の結婚式を執り行うため、親友のセリヌンティウスを身代わりとして残し、3日後の日没までに戻ることを誓って故郷の村へと急ぎます。
ここまでは誰もが知る『走れメロス』の物語。
しかし、この世界線におけるメロスは驚くほど事件を引き寄せる「死神体質」だったのです……!
妹の婚礼前夜に起きる不可解な密室殺人。
急いで戻る道中に立ちはだかる山賊の死体。
荒れ狂う川で遭遇する溺死体。
一刻も早くセリヌンティウスのもとへ走らなければならないのに、なぜか現場の状況からメロス自身に容疑がかけられてしまい、容疑を晴らすために探偵役として謎を解く羽目に!
タイムリミットが刻一刻と迫る中、メロスは無事に事件を解決し、日没までにセリヌンティウスのもとへ辿り着けるのか――!?
ここがスゴイ!『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』を熱く語る
ここからは、私が実際に読んで「これは秀逸すぎる……!」と悶絶したポイントを深掘りしていきます!
海外ミステリ最大の弱点「名前が覚えられない問題」を完璧に克服!
海外翻訳ミステリや古代ギリシャ・ローマを舞台にした作品を読んでいるとき、こんな経験はありませんか?
- 「あれ、この人物って誰だっけ……?」
- 「登場人物みんなカタカナ名前で頭に入ってこない!」
読書好きなら一度は直面するこの悩みを、本作は見事な方法で粉砕してくれます。
ギリシア語の人名は、男の名の語尾に「ス」、女の名の語尾に「ア」が付く場合が多いそうです。
登場人物たちの名前がこちら。
- メロスの義理の父親 ➔ ギフス
- メロスの妹 ➔ イモートア
- イモートアの婿 ➔ ムコス
- 山賊のボス ➔ ゾクノボス
- 打撲で死んだ山賊 ➔ ダボクデシス
潔い!!潔すぎる(笑)!!
この雑とも言える絶妙なネーミングのおかげで、人物関係の混乱が一切ありません。
ページをめくった瞬間に誰だか100%理解できるので、ストーリーと謎解きだけに100%集中できます。
この工夫は本当に発明レベルで秀逸でした!
メロスの「脳筋フィジカル思考」と「焦り」のギャップが面白すぎる
本作のメロスは、原作以上に熱血で直線的な「脳筋」キャラクターとして描かれています。
早く走りたい一心なのに、事件が起きるたびに足止めを食らうメロス。
「私は邪智暴虐の王を除かなければならぬ!」と叫べば、殺人現場では「危険な思想を持つ怪しい男」として警察や周囲から疑われ、暴れれば暴れるほど容疑が深まっていく……。
彼の真面目さと必死さがすべて裏目に出て「犯人の怪しい言動」として処理されていく悲劇(同時に最高のコメディ)に、ページをめくる手が止まりません。
さらに、王の前でじっと待たされているセリヌンティウスと、「死後硬直の時間からして…」と現場検証をさせられているメロスの二元中継のような焦燥感もたまりません!
歴史好きもニヤリ!古代ギリシャの豆知識が勉強になる
本作の魅力はギャグとミステリだけではありません。
物語の随所に実際の古代ギリシャの歴史、文化、生活様式に関する豆知識が自然な形で盛り込まれています。
当時の結婚式の風習や、市民たちの暮らしぶり、政治的背景など、「へぇ~!昔のギリシャってこうだったんだ!」と勉強になる知識がたくさん詰まっています。
爆笑しながら読んでいるうちに、いつの間にかちょっと知的な雑学が身についているお得感も最高です!
単なるパロディじゃない!最後には「読者への挑戦状」もつくガチ本格ミステリ
タイトルと設定のインパクトから「出オチのバカミスかな?」と思って手に取ると、良い意味で衝撃を受けることになります。
- 羊小屋の密室トリック
- 現場に残された不可解な状況証拠
- 二転三転する犯人像
ミステリとしてのロジックが恐ろしくしっかり組み立てられており、伏線の回収も見事!
さらに物語の終盤には、本格ミステリの醍醐味である「読者への挑戦状」まで挟まれます。
「ここまでの情報で、あなたには犯人が分かりますか?」と作者から挑まれると、ミステリ好きとしてはテンションが上がらずにはいられません!
太宰治の原作や元ネタとなったギリシャ神話へのリスペクトも感じられ、ミステリ小説としての読後感は100点満点でした。
まとめ:笑えて、学べて、本格ミステリも楽しめる最高の一冊!
『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』の総評です!
- 読みやすさ:★★★★★(名前が絶対覚えられる!)
- 笑い・コメディ:★★★★★(メロスの焦りが最高)
- ミステリ度:★★★★★(読者への挑戦状つきの本格派)
- ためになる度:★★★★☆(古代ギリシャの豆知識が満載)
こんな人におすすめ!
- カタカナ名が苦手で海外ミステリを敬遠していた人
- クスッと笑えてサクッと読める面白い本を探している人
- パロディが好きだけど、ミステリの謎解きもしっかり楽しみたい人
- 読書を通してちょっとした歴史雑学も知りたい人
タイトルで気になった方は、絶対に読んで損はありません。
メロスとともに焦り、笑い、そして本格的な謎解きに頭を悩ませる最高の読書体験をぜひ味わってみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
みなさんの「次に読む一冊」の参考になれば幸いです。


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