【書評】『殺し屋の営業術』宮野有著|ビジネス×裏社会のぶっ飛んだ頭脳戦

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今回ご紹介するのは、第71回江戸川乱歩賞を受賞し、発売以来エンタメ界の話題を総なめにしている宮野有さんの小説『殺し屋の営業術』です!

「タイトルからして一体どんなお話なの……?」と気になっている方も多いはず。
実はこれ、想像の斜め上を行く「ビジネス×裏社会」の超痛快エンターテインメント小説となっています。

「次に読む面白い本を探している」「話題作の濃厚な感想が知りたい!」という方は、ぜひ最後までじっくり読んでいってくださいね!

『殺し屋の営業術』の作品概要とざっくりあらすじ

まずは、本作の基本情報と、思わず二度見してしまうぶっ飛んだあらすじをご紹介します。

  • 著者:宮野有
  • 受賞歴:第71回 江戸川乱歩賞 受賞
  • ジャンル:ミステリー、クライムサスペンス、極限のお仕事(?)小説

あらすじ:営業マン、殺し屋に就職する!?

物語の主人公は、契約獲得のためなら手段を選ばない凄腕の敏腕営業マン・鳥井一樹。
ある日、彼はいつものように仕事に奔走していたところ、偶然にも顧客の殺害現場に居合わせてしまいます。

当然、口封じのために殺し屋から命を狙われる絶体絶命のピンチ!
普通の人ならここで恐怖に怯えておしまいですが、そこは一流の営業マン。
鳥井は冷や汗を流しながらも、こう言い放ちます。

「ここで私を殺したら、あなたたちにとって大損ですよ」

なんと、殺し屋相手にその場で「商談(営業)」を始めてしまったのです。
結果的に命拾いをしただけでなく、殺人請負会社の一員に組み込まれてしまった鳥井。
彼に突きつけられたのは、「2週間で2億円」という前代未聞の営業ノルマでした……!

主人公・鳥井一樹の異質な魅力と人間味

本作を語る上で絶対に外せないのが、主人公である鳥井一樹の唯一無二のキャラクター造形です。

彼はどこか人間味が薄く、一見するとサイコパス的な冷徹さを感じさせます。
現実世界の退屈な日常や、ただ数字を追いかけるだけのルーティンには全く面白味を見いだせていなかった鳥井。
しかし、よりによって「自分の命がいつ奪われるかわからない」という極限の殺し屋の世界に身を置いたとき、彼はそこで初めて強烈な「ワクワク感」と生きがいを見出すことになります。

この「狂気と紙一重のプロ意識」がたまらなく魅力的です。
死と隣り合わせの状況下でアドレナリンを全開にさせ、ビジネスの論理で強敵たちをハメていく姿は、読者を恐怖ではなく「爽快感」の渦へと巻き込んでいきます。

作中に息づくリアルな「営業術・交渉術」

「殺し屋」と「営業」という、一見すると全く交わらない水と油のような関係。
しかし、いざ蓋を開けてみると驚くほど噛み合っています。
作中では、鳥井が裏社会の荒くれ者たちを相手に、本物のビジネススキルを次々と発揮していきます。

作中で光る具体的な交渉テクニック

  • たとえ話を駆使する:複雑な状況や抽象的なリスクを視覚的にわかりやすく伝え、相手の理解と納得を引き出す。
  • 相手を肯定し共感を示す:どんなに危険な相手であっても、まずは相手の立場やプライドを肯定し、心のハードルを下げる。
  • 相手の名前を呼ぶ:心理的距離をグッと縮め、敵対心を和らげる基本中の基本のテクニック。
  • 何交渉の際には身なりを整える:命のやり取りをする現場であっても、スーツの着こなしや身だしなみを崩さず、プロとしての圧倒的な佇まいを維持する。

これらのテクニックは、私たちが普段のビジネスシーンや日常の人間関係でもそのまま使えるものばかり。
「あ、この技は今の商談でも使えるかも……」と思わずメモしたくなるような実用的なエッセンスが散りばめられており、ビジネスパーソンが読んでも深く刺さる内容になっています。

予測不能な頭脳戦と抜群のエンタメ性

設定のユニークさやコメディタッチの導入に目を奪られがちですが、本作の本質は、第71回江戸川乱歩賞を受賞したこと裏付ける「一級品のミステリー・コンゲームとしての完成度の高さ」にあります。

中盤以降、ライバルの殺し屋チームや組織の内部での「裏の裏をかいた攻防戦」がこれでもかと繰り広げられます。

「相手が完全に勝った、主導権を握ったと思ったその瞬間、実はその展開すらも主人公側の仕組まれた罠だった……!」といった、まるで人気ドラマ『コンフィデンスマンJP』を彷彿とさせるような、鮮やかな騙し合いと知的スリルが満載です。

暴力や銃といったフィジカルな強さではなく、「情報の非対称性」や「人間の心理の裏を突く頭脳戦」で勝敗が決まるため、ミステリーファンや謎解き好きの読者も間違いなく唸らされるはずです。
ページをめくる手が止まらなくなる圧倒的なスピード感は、まさにエンタメ小説の醍醐味と言えます。

まとめ:『殺し屋の営業術』はこんな人におすすめ!

今回は、宮野有さんの『殺し屋の営業術』をたっぷりと深掘りしてご紹介しました。

おすすめしたい読者層その理由 
ミステリ・コンゲーム好き裏の裏をかく頭脳戦と、予測不能な大逆転劇の連続が味わえるから
一味違うエンタメ小説を探している人「ビジネス×殺し屋」という唯一無二のぶっ飛んだ設定と圧倒的なスピード感を楽しめるから
日々の仕事にちょっと刺激が欲しい人シュールな笑いと、思わず感心してしまうリアルな営業スキルに触れられるから

「最近、頭を使う面白い小説に出会えていないな……」
「日常の退屈を吹き飛ばしてくれるようなエンタメが読みたい!」
という方は、ぜひ手に取ってみてください。きっと一気に読破してしまうはずです!

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